「分散型メディア」という言葉を聞いたことはありますか?
簡単に言うと、「自社サイトを持たないでFacebookやInstagramといったSNS上に公式アカウントを作り、それぞれの媒体で情報発信をしてフォロワーを集めていくこと」をいいます。
スマートフォンの普及でSNSの利用する人が爆発的に増えたこと、さらにSNSはシェアや拡散されやすいといった点から分散型メディアを利用する企業が増えてきました。
そこで今回は、分散型メディアの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
「より多くの人に自分たちの活動を知ってもらいたい」と考えているかたはぜひ参考にしてみてください。
分散型メディアの特徴
まずはじめに分散型メディアの特徴について解説していきます。
【Webメディア】と【分散型メディア】の違いについて知っていきましょう!
(参照元:日経クロストレンド)
分散型メディアと従来のWebメディアは、[集客]と[コンテンツの作りかた]に違いがあります。
これまでのWebメディアの場合、自社サイトに集客をしてそこにコンテンツを配信するスタイルです。
そのためユーザーがコンテンツを見るには
「GoogleやYahoo!JAPANで直接検索をしてサイトへ訪れる」
「SNSで流れてきたリンクからサイトへ移動する」
こういったステップが必要でした。
それに対し分散型メディアは、すでに多くのユーザーがいるSNSを利用します。
それぞれのSNSの特色にあったコンテンツを届けるスタイルです。
企業にとっては効率的に多くの人に情報を届けることができますし、ユーザーはコンテンツを見るために外部サイトへ移動することなく、SNS上でそのままコンテンツを楽しむことができます。
なぜ分散型メディアが注目されているのか
次に分散型メディアが注目される背景について解説していきます。
SNS利用者の増加
スマートフォンの普及によってSNSを利用する人が大幅に増えました。
ICT総研によると、日本のSNS利用者は7,975万人(普及率80%)、2022年末には8,241万人へ拡大の予想がされています。
さらにSNS利用者はもともと20代以下の若い世代が多かったですが、今では40代・50代以上の世代にも広まってきています。
今ではすっかり生活に浸透したスマートフォンですが、普及する前の2000年頃までは情報収集をしたり発信をするときにはパソコンが必要でした。
それに比べスマートフォンは、アプリをインストールすれば1クリックで簡単に接続することができます。
SNSもほとんどが無料で利用でき、誰でも簡単に情報収集や発信ができます。
このようにSNSが普及した理由のひとつに、スマートフォンの普及が大きく関わっています。
シェア・拡散されやすい
SNSはターゲットの興味関心に刺さるコンテンツであれば、シェア・拡散がされやすいのが特徴です。
<拡散されやすいコンテンツの特徴>
・今話題のものや流行りものを扱ったコンテンツ
・「かわいい」「面白い」「欲しい」など感情を動かすコンテンツ
・データをまとめたコンテンツ
・お得情報 など
自分自身に置き換えてみるとわかりやすいかもしれませんが、自分にとって良い情報に出会ったとき「この情報を誰かに伝えたい!」とついSNSなどでシェアしてしまった経験はありませんか?
また機能面からみてもSNSは、タイムライン上でスムーズに動画が再生され、レスポンスしやすい仕組みになっています。
発信者や企業側にとっても時間と労力をかけて作ったコンテンツはたくさんの人に届けたいものです。
すでに多くのユーザーがいる場所でシェア・拡散がされればより多くの人に事業やサービスを知ってもらう機会となり、売上アップにもつながります。
分散型メディアのメリット・デメリット
分散型メディアを上手く運用していくためには、メリット・デメリットについてしっかり理解しておくことが大切です。
メリットを活かし、デメリットを克服するためにもまずは、分散型メディアが持つプラスとマイナスの面について知っていきましょう。
メリット①導入・運用コストの削減
分散型メディアはSNSなどの外部プラットフォームを利用するため、自社サイトを作るときと比べると導入・運用コストがかかりません。
自社サイトをイチから作るとなると
・サーバー・ドメインの取得、初期費用
・ページのコーディング
・メンテナンスなどの維持費用
がかかってきます。
また一般的なWebサイトは制作に2〜3ヶ月かかります。
完成して公開しただけでは見てはくれないので、SEO対策やSNSなどで発信をする必要もあります。
分散型メディアはアプリをインストールしてユーザー情報を登録すればすぐに使えます。自社サイトをイチから作ることと比べると時間もコストもかかりません。
メリット②拡散力が高い
すでに多くのユーザーがいるSNS上では、1人がシェア・拡散をすればその人のフォロワーや共通の趣味・関心を持った人たちに一気に拡散されることになります。
また、大きな影響力を持つ「インフルエンサー」と呼ばれる人たちもいます。
そういった人たちと上手くつながり話題にしてもらえれば、普段は届けることができないような人たちにまで自社の事業やサービスを届けることが可能です。
デメリット①各SNSのターゲット層に合わせてコンテンツを作る必要がある
分散型メディアは様々なプラットフォームを利用するので、そのユーザー(ターゲット層)に合わせて発信する内容や見せかたを工夫する必要があります。
<Twitter>140文字の文字制限アリ
140字以内で発信しなくてはならない。
<Instagram>ビジュアル訴求のSNS
アカウントの世界観を表現したり、文字情報よりも投稿する写真や動画を工夫する必要がある。
<Facebook>ビジネスパーソンに幅広く利用されているSNS
発信する内容をしっかりと文字情報で入れつつ動画や画像を組み込む工夫が必要がある。
こういったようにSNSによってユーザーが好むスタイルや掲載できるコンテンツの形が変わってきます。
分散型メディアを運用していくには、それぞれメディアの特徴をしっかりと把握すること、そして使い分けをできるスタッフの育成と投稿にかける作業時間が必要です。
デメリット②拡散されないと集客が難しい
SNSの最大の強みは「拡散力」ですが、なかなか拡散されず情報が1人歩きしてしまうことも多いです。
タイムラインは常に新しい情報、コンテンツが流れてきます。
そのため後からコンテンツを見返すことはほとんどありません。ユーザーに注目されなければあっという間に古い情報となってしまいます。
実際にSNS活用に成功している中小企業は、それぞれのSNSの特徴を活かして見てくれるユーザーの心を掴む内容を発信しています。
分散型メディアでより多くの人に情報を届けよう
分散型メディアの特徴についてお話ししてきましたが、SNSによって情報発信の仕方やユーザーとの関わり方が大きく変わってきました。
”自分たちの活動をたくさんの人に知ってもらうためにはどのような集客活動をすればいいのか?”
“自分たちのお客さまがどこでどのような情報を探しているのか”
ぜひこの機会に検討してみてくださいね!